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流動性のある相場・ない相場について

ビットコインの相場が乱高下するたびに気になるのが市場に流動性が確保されているのかどうかという問題です。

金利や利益だけを確保することを主たる目的として市場に多くのプレーヤーが参入してくる市場では、買いが集まっているときは問題ないのですが、一旦売り相場になってしまいますと、買い手がいない市場となってしまうため、売るに売れないという非常に厳しい展開に追い込まれることがあり、相当な注意が必要となります。

ジャンク債市場などでも同様のリスクが発生

価格が上昇しているときには市場参加者のほとんどが買いで入っている商品は何も問題ないわけですが、一旦売りがかさんでしまいますと市場で買いを入れる人間がいなくなることからいきなり流動性が枯渇し始めることになり、相場は大きく下落する状況を示現することになるのです。

とくに米国のジャンク債、いわゆるハイイールドボンドの場合には、売りが殺到してしまいますと価格が下がるだけではなく売るに売れない、つまり値がつかない状態になってしまい、流動性パニックが発生することになります。

これは、為替の世界でもトルコリラ円などにもみられる光景であり、市場参加者のほとんどが買いもちをしていることから売りがではじめて多くのロング保持者が反対売買を行うと値がつかない状態になってしまうのです。

ビットコインは下値で買い手がいるのでまだ大丈夫

ビットコインの場合も流動性パニックをおこして最高値を更新したにも関わらず、売りがでると市場参加者の多くが心配して追随して売りを出すことから短時間で思いのほか価格が下落することがありますが、それでも安値ではいまのところ買いを入れる向きも存在するため、暴落と上昇を繰り返すというかなりやりにくい相場展開に直面することになります。

不動産価格などを考えてみるとわかりますが、2億、3億で買った物件でも買い手が不在ならば投げ売りがはじまり、それでも売れないという厳しい状況に直面するのと同じことが金融市場でもありうるということについては相当事前から認識しておく必要があります。

為替の場合には実需が存在するために一応のフェアバリューというものがあり、クロス円などの架空通貨でなければ暴落するといって価値がなくなることはありませんが、仮想通貨についてはそのフェアバリューが実にはっきりしませんし、そもそも実需が存在していない中で売買をしているわけですから下落しはじめると通常の金融商品では見られないような流動性パニックを引き起こすリスクを持っていることはしっかり認識しておくべきでしょう。

米国は株がバブルなのか債券市場がバブルなのか?

近年、これだけ株式市場の見通しと債券市場の見通しが乖離したのはめずらしい状況ではないかと思いますが、米国の株式市場は延々とじり高を続けており、下落してもほとんど日柄調整ですり抜けようとしている気配が濃厚でです。

一方で債券市場のほうも独自のバブルを形成しており、10年債金利はほとんど上昇しない状態を継続中です。一体どちらがバブルなのかという議論は最近よく見かけるものとなりつつありますが、株式市場はとにかく押し目があれば買いで入る市場参加者にささえられて大きな調整は出てこない状況が続いています。

一方債券市場もまったく金利上昇が示現されず、景気に対する両市場の味方は完全に異なるものになっていることが容易に想像できる状況です。

株と債券とどちらがバブル状態なのかといえば、正解は両方であり、どちらも勝手に都合のいい部分だけ取り込んで相場を形成しています。

ただ、おそらくどちがかの見立ては間違っているはずで、2018年以降にその厳しい修正が登場することも視野に入れておかなくてはならない状況あさしせまっているといえます。

ガンドラックは米債の金利上昇を予想

新債券の帝王の異名をもつダブルラインキャピタルのチーフインベストメントオフィサーであるジェフリーガンドラックは今年に入ってから一貫して債券相場の強気状態に警鐘をならしており、あと2回の米国FRBの利上げで債券市場は深刻な状況に陥るとして金利の上昇がやってくることを指摘しています。

CMEが発表しているIMMの債券ポジションの推移では、10月まで市場最高レベルに買いが集まっていた米10年債は10月末に一旦かなり売りがでたことで差し引きのポジションは減少しましたが、11月にはまたロングが増加する状況となっています。

FOMCにおける資産縮小のスタートなどをうけて一旦買いポジションより売りポジションが増えてそのボリュームが拮抗する瞬間が登場したわけですが、足元ではまたジョジョにロングは増加中であることがわかります。

現在の相場状況では、債券金利が上がらず、ドル安も継続しているからこそ株式市場も心置きなく買い向かってじり高を続けていられるわけですが、これで債券金利がガンドラックの指摘するように上がり始めれば、ドルが上昇するとともに債券は大幅下落となり、金利上昇を嫌気した株式市場も大幅下落に動き出すという連鎖が起きるリスクは十分に考えられる状況です。

さすがにこうした動きが年末に向けてすぐに起きるとは思えませんが、2018年に入ってこうしたシナリオが現実のものとなり株も債券もバブルが崩壊する危険性があることだけは常に意識しておく必要があります。